SECRET COCKTAIL
「そうか、とうとう決めたんだな」
雅君の優しい声音が聞こえる。
「ええ、そうなの。だから、ミヤビに会っておきたくて」
「それは嬉しいな」
二人カウンターでグラスを傾けながら飲んでいる姿は、とても様になっていた。
「あのね、それで一つミヤビにお願いがあるんだけど」
「なに?言ってみろよ」
「来週の金曜日、私に一日ミヤビの時間をくれない?」
「来週の金曜日って・・・ああ、そうか」
「無理かしら?」
どくんどくんと心臓がうるさくて、二人に聞こえてしまうんじゃないかと思った。
雅君の事をミヤビと呼ぶって事は、昔なじみのお客さんなんだろう。