SECRET COCKTAIL
やっぱり、昔の雅君を知っているお客さんが多くいる時に、一人で飲んでいるのは苦手だ。
あの頃の、自分の無力感や疎外感。
無情に変わらざるを得なかった現実。
苦しい位の胸の痛み。
そんな物を全て思い出してしまうから。
「なんで高城さんって、ミヤビって呼ばれてんの?」
純粋な興味なのだろう。
多田君がそれを聞いてきた。
昔の事を知らない人が、初めて聞いたら当然そう思うはずだ。