SECRET COCKTAIL
私が来るのは、大抵開店前の時間帯だから。
今日はもう来ないだろうと思っていたに違いない。
「今、大丈夫?」
もうとっくに営業が始まっている時間帯。
店内にはすでに数人のお客さんがいたから、雅君にだけ聞こえるように小さく声を発した。
いつものカウンターの席は、運よく空席。
その事にほっと胸を撫で下ろして雅君を伺うと。
「ああ」と、雅君が小さく頷くのが分かって、そのままいつもの席に腰かけた。