SECRET COCKTAIL
「・・・もう、いい」
こんな自分が情けなくて、雅君の前から早く消えてしまいたかった。
ガタンと音を鳴らしてスツールから降りて。
逃げるように扉に向かった。
「おいっ、美來、待てよ」
カウンターから出て来た雅君に、すぐに腕を掴まれて、扉の前で向き合わされる。
雅君の顔を正面から見られなくて、俯いた顔からはポタリと涙が零れ落ちた。
こんな時に、引き留めないでほしかった。
醜い自分を曝け出してしまう前に、いなくならせてほしかった。
このままだと、自分の感情を止められる自信がない。