SECRET COCKTAIL


「あいつが嬉しそうに教えてくれるんだ。今日はこんなカクテルを作ってくれたってさ。お前、俺が何も気が付かないと思ったか?」


「・・・・・」


「それにあいつが言って来たんだよ。いつもここの飲食代払ってくれてありがとうって。俺、いつ払った?そもそも、付けにすらさせてもらってねぇんだけど?」


意地悪く言ってみると、見事に相手はたじろいだ。


「だから、それは」


「俺に借りがあるから、とでも言うつもりか?何度も言ってんだろ。そんなもの初めからねぇんだよ。そんなものにこだわんなら、今までの分の支払い、全部済ませてやるよ。んで、これからは、あいつに払わせる」


「・・・・・」



「・・・でも、そんなんじゃねぇよな?」



俺が言うと、雅弥は諦めたように溜息をついた。



それが、雅弥の肯定なのだと分かった。

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