SECRET COCKTAIL
「お前は、本当にそれでいいのか?」
「良いも悪いもないだろ。あいつが決めた事だ。俺もお前と同じように、美來が幸せになってくれたら良いって思ってるよ」
力なく笑う雅弥に、胸が痛んだ。
こいつは、あの出来事があってから、簡単に諦める事を覚えた。
自分の人生に期待を持たなくなったように思う。
もう、そんな必要はないのだと。
自分から欲しい物を求めても良いのだと。
どうやって分からせたら良いんだろう。
俺はどこかで。
もしかしたら美來なら、こいつを変えられるんじゃないかと、そう思っていたのだけれど。