SECRET COCKTAIL
いつもはカウンター越しに交換してくれるのになんで、と思った瞬間。
横から屈んで顔を近づけて来た雅君に、顎を掬われて唇を奪われた。
しっとりと吸い付くように触れられた唇。
そのまま離れる唇を自然と視線で追ってしまう。
「え、まさ、」
「美來は、俺だけ見てろ」
見て、るよ。
そんな心の呟きが聞こえるはずもなく。
雅君は、そのままカウンターの中に戻ってしまう。
触れられた唇が、熱い。
顔の火照りを冷ますように、目の前に置かれたショートカクテルを口に運んだ。