強引な彼の求愛宣言!
「こんにちは、深田さん」

「………」



窓口のカウンターを挟んだ向こう側。記帳台のそばから声をかけてきた人物を見上げ、私はぽかんと口を開けてしまった。

彼はとっさに挨拶を返せなかった私を特に気にすることもなく、あっさり融資窓口の方へと歩いて行く。

その人物に気付いた三木くんがすぐに立ち上がり、いくつか会話をしたのちパーテーションで仕切られた応接室へと通した。



「ちょちょちょっ深田さん、今のイケメンどなたですか?! わざわざ深田さんに挨拶してましたけど!」



ちょうど私の後ろに置いてある紙幣計算機を使っていた白石さんが、興奮気味に耳打ちしてくる。

そんな彼女に、私は引きつった笑みを返した。



「ええっとまあ……東明不動産さんの、担当の方なんだけど」

「マジっすかノーチェックでした……! あっ、すみませんあたし今ちょっと立て込んでるんで、お茶出しお願いしちゃってもいいですかー?」

「……了解」



お昼時でテラーがひとり昼休みに入っているうえ、後方で為替を担当しているパートさんもなんだか今はバタバタしているところ。

そうね、この状況じゃ、お茶出しすべきは手が空いてる私よね。……行きたくないんですけど! 切実に!
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