その手をぎゅっと、離さないで

近づく二人



修学旅行が終わって、6月は本当になんにもない。

梅雨で雨が降ってジメジメしているだけだ。

陸上の大会…

あったけど、私は疲労骨折で今年最後の公式大会を断念。

あまりにもひどく、出ざるをえなかった。

ショックでなかなか立ち直れなかった。

桜庭は専門種目のハードルで都大会準優勝。

全国にも行ける。

いいな、羨ましい。

顧問の先生にも言われた。

『お前の実力なら全国確実だ』って。

いろんな人の期待を裏切って、余計に罪悪感がうまれる。

「最近本当にいいことないなぁ〜」

「彼氏できねぇし?
陸上の大会出れねぇし?
彼氏できねぇし?」

「はっ、うるさい!
光輝も彼女できてないくせ」

人のこと言えないでしょバカ。

私だって…!

彼氏ほしくないことはないけど…。

大輝のことまだ諦めらてないのかもしれないし。

同じクラスとか余計に関わる機会が多いから無理だよ。

「はぁ〜」

「ほんと、頑固だなお前は」

は?

そこは頑固じゃないでしょ。

諦めが悪いだけでしょ、はいはい。

「も〜やだ〜!!!」

稚菜のブレスレットもいつから効果でてくるのぉ!
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