その手をぎゅっと、離さないで

楽しかったこと、面白かったこと、辛かったこと、たくさんたくさん書いてあった。

二枚目に入って涙がこぼれた。


〈桜華、今まで大好きだったよ。

俺はいつも桜華を応援する側だった。
だけどもう桜華の前にいられなくなるかもしれないから言うよ。

もう相談に乗ってあげられなくてごめんな。
いつか、桜華を幸せにできる人に出会ったら俺は嬉しいよ。
俺じゃないのは残念だけど、それが一番の望みだ。

だから俺がいなくなっても泣いてばっかいるなよ?
俺はいつでも桜華を見ている。
だから安心してこれから過ごしてくれ。

今まで、ありがとう。
これからも愛してるよ。〉


あっきーは…。

あっきーは今まで私のことを…。

ずっと想っていてくれた。

だから私はこれからもあっきーを想う。

恋愛じゃなくて、命をね。

絶対に悲しい思いをさせたくない。

あっきーママやパパ、あっきーの親戚、あっきーの友達、みんな悲しんだ。

だから私はそんな人をつくりたくない。

絶対に医者になる、と。


それからは勉強を頑張った。

今まで通知表が2や3で埋め尽くされていた。

だけど、4と5だけになるまで頑張った。

だから今ではオール5になった。

わからないところが沢山あるから、その分皆より沢山勉強しなきゃいけない。

あっきーのために…。

病気で苦しんでいる人、家族、友達のために…。
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