その手をぎゅっと、離さないで
story1 痛み

イヤガラセ




「稚菜おはよ!」

「遅かったじゃん!不登校デビューかと?」

「昨日宿題詰め込んでやってさ…(汗)」

「んで寝坊と。もー桜華はアホだなぁー」




長野稚菜(ながのわかな)。
私の前の席の女の子。学年1カワイイ子と言っても過言ではない。普段は優しくて面白いけど、男子が嫌いらしく…よく怒ってる。
今日も黒くて綺麗な長い髪の毛をいじりながら話しかけてくる。





「朝から走ったから暑いよ…」

「そのうちクーラーきくよ」

「えーでも一限から数学じゃん。
クーラーきいてくんないと頭パンク」





私が一番嫌いな数学。

先生も先生で教え方ヘタだし。



しかも…小太りで見てるだけで暑苦しい。






「てゆか桜華、今日体育祭の団式あるじゃ
ん。リーダーは自己紹介するんじゃ?」


あー!忘れてた。


今日、団式あるんだった!
色リーダー、通称''色リ''は体育祭の色のリーダーだ。



「やっばー!なんも考えてない。あとで未央
の見てちょっとパクらせてもーらお」



今日は体育祭で同じグループの1.2.3年生で集まる会、団式がある。
正直めんどくさい。


でも…

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