秘密の契約
「正志、秋成たちが呼んでいる」



「あー 行って来るよ」



正志と呼ばれた彼はそそくさと友人たちの元へ戻って行った。



「日菜、腕は大丈夫?」


正志に捕まえた日菜の腕を見る。



「う、うん……」



「赤くなっているな 日菜はすぐにあざになるから」



千波の指が赤くなった腕をそっと撫でる。



「だ、大丈夫だから」



千波の指から逃れるように後ずさると玄関に向かう。



「もう帰るって?」



千波が腕時計を見る。



まだ来て一時間も経っていない。



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