秘密の契約
「悪かったね お友達と約束があったのに」



夏葉が笑わない日菜に言う。



「何の用ですか?」



冷たく聞こえるように言った。



そんな日菜を見て夏葉がフッと笑った。



「日菜ちゃんに嫌われたようだね」



「だって……」



縁談の話は断ったからなぜ学校まで来たのかわからない。



「ここではみんなの目もあるし車に乗ってくれるかい?」



話をしていると生徒たちがじろじろ見て行くのだ。



もちろん夏葉さんがスバ抜けてカッコいいからだけど。



日菜は仕方なく道路に停まっていた黒のベンツの助手席に乗った。



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