秘密の契約
4歳離れている日菜は千波の中等部の頃は知らないが家が目の前とあって朝倉兄弟は幼馴染的な存在だった。



ここにいる郁斗だってすごくもてる。



精悍な顔立ちでツンツン頭のサッカー少年。



頭は学年でつねに10番以内だし、明るく、健全な青少年って感じ。



月に何回かは告白されているらしい郁斗だけど特定な彼女は作らない。



いつもなんでだろうって疑問に思う。



「で、明日の夜 ちょっとしたパーティーがあるんだ 萌と一緒においでよ」



「うん……わかった 萌も喜ぶよ」



にこっと郁斗に笑顔を向けた。



でも郁斗にはわかっているみたい。



すごく嬉しいってわけじゃないって事。



日菜は引っ込み思案だからパーティーは好きじゃないのだ。



日菜の家は華道の家元でパーティーは日常茶飯事だ。



当然そういうパーティーにも出る機会も多いのだが日菜は好きではなかった。




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