秘密の契約
「外に出たら寒いから」


日菜は首を横に振った。


「ジャケットをかしてあげるよ そこのテラスまでだったらヒールに影響もないよ」


そう言って青年はジャケットを脱ぎ始めた。


「い、いいです」


日菜はそこまでしてもらいたくなかった。


「いいって 一人で見るのは男としてプライドが許さないんだ」


にこっと笑って日菜の肩にジャケットをかけた。


「じゃあ……少しだけ」


日菜は微かに微笑んで青年が開けてくれたドアからテラスに出た。







日菜を探していた千波が目にしたのは男が日菜にジャケットを羽織らせている所だった。


誰なんだ?あの男は?


親しげな仕草に千波は怪訝そうな顔になる。


そして2人は外に出てしまった。


その瞬間、千波の心の中は独占欲で占められた。





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