秘密の契約
「あの人とは……遊びだったって事?」


「日菜っ!日菜がいるのに浮気などしない!君は俺がそういう男だと思っていたのか?君の口からそんな言葉を聞きたくない……」


日菜の目からまた涙が溢れ頬を濡らしてく。


「だ、だって!そういう言い方の電話があったんだもん!」


「電話?」


千波が眉根を寄せる。


日菜はもう立っていられなかった。


腰が抜けたようにその場にしゃがみこむ。


「日菜、ちゃんと話して」


両手で顔を覆って泣きじゃくる日菜の髪の毛を梳く。


「日菜、お願いだ」


大きく首を振られる。


千波は震える身体をそっと抱きしめた。


「!」


日菜は驚いたものの抱きしめられたままでいた。


「ごめん……傷つけて……あとで部屋に行くよ 落ち着いたら話そう」


千波は日菜を離し、床に落ちていたコートを取って日菜に着せた。





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