秘密の契約
日菜が部屋に戻っても千波はまだ来ていなかった。


「長風呂だな 兄貴が来たらどうするんだよ」


と、郁斗が憎まれ口を聞く。


「だって……」


日菜が唇を尖らせる。


「郁斗、日菜をいじめないでよ 日菜は早く帰りたがったんだから」


愛が郁斗を睨み付ける。


「でも結果的には来ていないんでしょ?」


梨絵が言う。


まだ来ていないと聞いてホッとした。


良かった……。


「でも、もう11時30分だな 遅すぎるぞ」


郁斗が腕時計を見る。


「ん……忙しいのかも……」


日菜はソファーに膝を抱えて座った。


千波が来るまではと皆でトランプをする事になった時、日菜の携帯が鳴った。





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