オタク女子。
05 オタク波乱

***

「昨日はすいませんでした」
「え、何が?」

朝真っ先に私は綾子先輩の元へと謝罪しに行った。綾子先輩はPCから顔を上げて、キョトンとしている。


「昨日、気がついたら先輩たちいらっしゃらなかったので」
「あーそのことね。あまりにも二人が楽しそうに飲んでるもんだから声かけずに出てきちゃったの。気にしないで。こっちこそあなたたちそっちのけで話してたし、色んなこと語れて楽しかったから。また四人の予定が合ったらぜひしましょう?」
「それはもちろん。綾子先輩とサシで飲みにも行きたいです」
「女子会ってやつね!いいわよ、しましょ」


綾子先輩はニッコリと綺麗に笑って快く承諾してくれた。やった、憧れの先輩とご飯の約束ゲット!

「楽しみにしてます!」

と私は言うと元の自分のデスクへと戻った。

「うふふふ…」

思わず笑いが溢れる。

綾子先輩は私生活ではアイドルオタクっていうか賢ちゃんにお熱だけど、仕事ではバリバリのキャリアウーマン。与えられた仕事は何でもこなし、何より後輩の面倒見がいい。

そして理不尽なことは言わない。
これって重要だと思う。たまに先輩面して物を言う人がいるけど、綾子さんは例え新人のぺーぺーに何かを言うときでも同じ人として尊重している感があるのだ。






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