恋の後味はとびきり甘く
「それじゃ、売り場の方をお願いします。私はこっちでチョコレートを包装してるので、なにかあったら呼んでください」

 私は言って、カウンターの背後にあるテーブルの上に包装紙を広げた。その上にチョコレートの箱を置きながら、懐かしく思い出す。

 大好き、か。

 涼介くんもそう言ってたよね……。

 彼のことを思い出すと、今でも胸が締めつけられる。目の奥が痛くなって、泣いてしまいそうだ。

 七年も経つのに、まだ鮮明に覚えている。店を始めて五ヵ月。赤字が続いて、自分の選択が間違っていたのか、と自信を失いかけていたとき、店にふらりと入ってきたのが涼介くんだった。 
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