レンタル夫婦。
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「どうする? もうやめる?」

お風呂に入って温まり、着替えてから話し合うことになった。
ダイニングのテーブルに座って向かい合う。
頬杖をつきながら、湊はそう訊いた。
何が、とは言わなくたってわかる。
頭の中はぐるぐるしていて。気持ちは壊れそうだったけど。

「自分で決めたことだから、最後までやるよ。……もうあとちょっとだし」

途中で投げ出すのは、何となく嫌だった。
負けたみたいな気持ちになるし、伯父やありささんたちに迷惑が掛かってしまう。

「そう……なら続けよっか」
「うん。でもその代わり」
「ん?」

私は強い気持ちを込めて湊を睨む。

「――もう、べたべたしないで」

出来るだけ強い口調でそう言った。
湊は一瞬だけ面食らったような表情になり、

「分かったよ」

そう、肩を竦めた。

何となく納得はいかないけど。
もう振り回されるのは嫌だった。
湊に何の感情もないって知った今となっては。
出来るだけ関わらずにあと一週間を過ごしたかった――

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