凸凹リレイション


 昼休憩も終わろうという時間、琴美と気まずい香苗は教室にも居づらく、校舎裏をプラプラと散歩していた。そこに後ろから声をかけてきたのは俊介だ。


「あーいたいた。松崎、捜してたんだよ」

「なによ」

「お前、我妻とちゃんと話した?」

「してない。逃げられてる」

「マジかー」


 頭を抱えるようにして落ち込むそぶりを見せる俊介。オーバーアクションで、いちいちウザい。落ち込んでるときに見ると余計だ。香苗は気分そのままに大きなため息をついた。


「明日美、私の話聞いてくれる気ないみたい。付き合ってるんならアンタから言ってよ」

「は? いや。付き合ってるとかそんなんじゃねーけど」

「だって、家まで来てたじゃん。昨日、デートだったんじゃないの?」

「デートって……。一緒に出かけたけど三人でだぜ? ホラ我妻がいつも一緒にいる川野もいた」

「なんだ」


(彼氏じゃないのか)

 拍子抜けした気分だった。そして納得もする。
 だから、明日美は昨日の光景を見て逃げ回っているのか。好きな男が、他の子と抱き合っていたから?

(逃げるくらいなら確かめればいいのに)

 呆れた気分で香苗は俊介に尋ねる。


「家の前まで来るくらいだから、付き合ってるんだと思ってた。好きなの? 明日美の事」

「なんで女ってすぐそっちに行くわけ? 友達だって一緒に出掛けるだろ」

「私はそうだけど。明日美はそういうタイプじゃないもん。からかうだけならやめなさいよ」

「別にからかってもないよ。……好きとかは分かんないけどさ。なんか気になるんだよ。大人しそうにしてるけど、たまに話すことは面白いしさ。趣味合うし」

「へぇ」


 明日美と話して面白いなんて言う男は初めて聞いた。やはりそれなりに気が合っているということだろう。

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