Who?
「この家系に生まれたということは遅かれ早かれ、私を殺し屋に仕立て上げようとしたい女性んでしょ」
 カナエの言葉に、両親は、グレイト、と親指を立てた。息がぴったりだった。
「憎しみが育つのを待ってたんだ。熟さなければ果実は美味しくないだろ、カナエ」
 父親は、カットされたリンゴを口に入れた。果汁がピュッと口元から零れ出た。
 次の日から殺し屋の訓練を受けた。裏執事というのが私の家にいたことすら知らなかった。
「わたくしはずっと、地下にいましたよ」
 長い髭をピンと弾いた。四十代にも見えるし五十代にも見える、さらには六十代にも見える。要は、年齢不詳に見えるのだ。ふわっとしてい取っつきにくいのが裏執事の特徴だった。
 裏執事は武術、射撃、語学、芸術、あらゆるものに精通し堪能だった。記憶力も抜群で、一度覚えたことは忘れない。
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