アオゾラをカナデヨ
みんなと話しができる昼休憩は、練習の合間にひと息つける貴重な時間だ。

「私も入れて〜」

珍しく莉子が私たちフルートパートの部屋にやってきた。

「あ、莉子〜!」

さっそく弁当箱を開けながら、莉子が話し始める。

「トロンボーンの城本くんが、ソウが男子と歩いてるの見たって言っててさ」

「は⁈」

トロンボーンの?ああ、あのメガネの子か。いつの間に見られていたんだろう。

「新杉駅で、東南高の子と」

「……一平だね」

私が男子と歩いてるのがそんなに珍しいか?なにもやましい事はないからいいけれど。

「あはは、だよね、やっぱり!」
「ああ、一平くんか!」

実梨や麻美もうなづいている。

「私もそう思って、きっと幼馴染の子だよって言ったけどさ。安斉くんはちょっと気にしてるかもしれないよ」
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