アオゾラをカナデヨ
もしかして……。

「安斉くんに、今日一緒に帰ろうって言われた」

「あーほら!やっぱり気にしてる〜!」

「え〜?」

まさか、私にそれを聞きたくて一緒に帰ろうなんて誘ったの?

「もうさ、香子のことは気にすることないよ」

莉子はそう言ってくれるけど。

「うん……」

「もう!莉子の言う通りだよ!可哀想だとは思うけど、フラれてるんだから」

煮え切らない私に、みんなはもどかしさを感じているのだろう。

「でも、まだ好きなんじゃないの?」

サマーコンサートの時の香子の様子は、告白する前と変わらなくみえた。

「いやあ、どうかな?意地になってるっていうか。たぶんソウに取られたくないだけだと思うよ」

私に、取られたくない?
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