アオゾラをカナデヨ
「やっぱり、香子の気持ちが落ち着くまで待った方がいいよな」

「え?」

「香子、激しい性格だからおまえに何言うか分からないし」

もしかして、私に気を使ってくれてる?

「……」

安斉くんはきっと、私の気持ちにも気づいてるんだ。

「その時は、雨の日だけじゃなくて毎日一緒にいてやる!……あ、ソウがイヤじゃなければ、だけど」

優しく、まっすぐな目を私に向けて言う。

「……イヤじゃない、よ」

イヤなわけないじゃん。

恥ずかしさと嬉しさで、顔を伏せる。

まだ、こんな曖昧な言葉でしか交わせないけれど、初めて繋がる2人の気持ち。

香子のこと、安斉くんの片思い…引っかかりはまだあるけど、今目の前で笑う彼の言葉を信じられる。

「とりあえず、今はコンクールに集中しないとな」

「そうだよ、全国行くぞ」

同じ目標に向かって一緒に進む。

安斉くんがそばにいてくれるなら、きっと雨だって好きになる。
< 130 / 191 >

この作品をシェア

pagetop