桃色アルバム
その夜。
ケイタはベッドの上で今日を振り返っていた。



その日は、とても楽しかった。

放課後はすぐに基地へ行き、菓子を買っていろいろ遊んだ。
基地の中はそれほど寒くはない。
それが唯一の助けだった。


それからはずっとゲームをしたり、くだらない話で盛り上がっていた。
そして、明日は親に許してもらい、1泊2日で軽井沢へ行くことになった。


明日からの旅行が楽しみで仕方がない。
ケイタは自然とニヤけてしまった。

その顔をドンがペロペロとなめる。

それがまたくすぐったくて、今度は声を立てて笑ってしまった。

布団にはいっても興奮はさめない。

―3年になったら、またみんなで何をしよう。

そういうことを考えると、なかなか寝付けなかった。

やっとウトウトし始めたとき、電話のベルがなった。



それが、運命のときだった。
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