NORA -広い空と、僕。-


キツネさんに案内されて
大きなお城のような建物に来た。


「神様」

「…あ、待っていたよ」

「はい…」

「猫くん、小鳥さん。
ひとつだけ、君らの願いを叶えられるよ」

「…なんでも、ですか?」

「そう…君らが憎んでいる人間を同じ目に
遭わせることも出来るよ」

「それはやめてください!!」

「え?」

「……僕は…確かに痛くて、辛くて
苦しかったけど…
相手…お兄さんも、同じ生き物です
だから…心があって…
同じように苦しむだけ…」


僕が涙をこらえて言い切ると
神様が泣いていた。

僕もつられて泣き出してしまった。
コトリも嗚咽を上げながら泣いている。


「…僕は、ママに会いたい…
会わせて、遭わせてください…!!」


神様は未だに涙を流しながら
僕に言った


「小鳥さんと一緒に
探しなさい。
きっと、君たちは幸せになれるよ」

「…神様っ!!」


視界が…ぼやけてくる。

…僕、今度はどうなっちゃうのかな…?


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