NORA -広い空と、僕。-


「くそ~!!
離れちまったなぁ」

「人生、そんな上手くいかないだろ」

「そぉかぁ~?
…変なこと言うなぁ」

「ほれ、行くぞ」

「ぁあん、待ってよぉ」


健二が急いで俺の後ろを歩く。

…まったく、くっつき虫が。


ちなみに

俺は1組、
健二は3組。

近いようで近くないんだな。


ダダダッ

……ズタンッ


「……」


俺の横を
堂々と通るちっこい女が
俺の前に来たとき
……派手に転んだ。


「うっわ……
あの女パンツ丸見え…」


健二の言葉に気付いたのか
慌ててスカートでパンツを隠す。

…いいもん見た、かな?


「ちょっとぉお!!
アンタ、人が転んだとこ見て笑うって
どんな神経してんのよ!
馬鹿ぁあ!!!!!」


周りの視線は

すべて俺へ。


「は……!!?
俺?」


パンツ見て
ニヤけてたのかよ、俺。


「…健二。
行くぞ」

「えっ…
いーのかよ…」

「別に。
俺、あの女に対して笑ったつもりは
一切ありませんから。」

…パンツですから。


「スルー?
アンタ、いい度胸してんじゃん!!」


…くだらね。
ムキになること自体おかしいだろ。



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