「先輩。」
「ーーっ。」

「ー。」

「ーー」

保健室の外から聞こえる男女の声。

聞いてはいけないと頭ではわかってるけど…。

聞いてしまった。

「私、龍貴のことが好きなの。」

「…俺も。俺も好きだよ」

…。

外にいた男女の告白現場。

…まって、今龍貴って言った?

龍貴って武田龍貴さん!?

私は恐る恐る外をみた。

…龍貴さん。

あの龍貴さんだ。

「美湖…」

龍貴さんは美湖といった。

やばい、気づかれた!?

そう思ったけど龍貴さんの視線は相手の人に向いていた。

私に気づいたわけじゃなかったんだ。

じゃあ…相手の人の名前?

あ。

私と同じ名前だからバレンタインの事も勘違いしたんだ…。

「龍貴ッ」

そして2人はお互いを求めるようにキスをした。
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