半分のキモチ
当たり前と言えば当たり前だ。
一ヶ月の間ずっと遅くまで残り準備をして、
休みは買い出しに借り出され、
一人で仕切っていたんだからな。


だけど、それに気がついたのは何で何時も隣で笑っていた克巳じゃなくて俺なんだよ。


文化祭前日、朝から宮本の様子がおかしかった。
具体的には言えないが確かだ。


「宮本、調子悪いのか?」

「ん?悪くないよ」

「……」


悪くないと言われればもう何も言えない。
だけど、それが嘘だと決定ずけたのは放課後。


「ちょ、ちょっと愛子大丈夫?」


宮本は教室で倒れた。
克巳は買い出して居ない。
女どもはキャーキャー騒いでるだけで役にたたねー。
男どもどうして良いか分からない雰囲気。


「ちょっと退け」


動ける奴が動けば良い。
本当ならこんな役は克巳の役だ。
今、居ないアイツが悪いんだ。


宮本の腕を自分の首に絡め、両膝に腕を差し込み宮本を抱え上げ保健室へ向かった。

 
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