半分のキモチ
「知らねーの?」

「俺が知るはずねーだろう」


克巳は何も言わず真っすぐと俺を見る。
先に視線をそらしたのは俺だった。


宮本が俺に何を求めているかは分からない。
だから、変わらないことを俺は選んだ。


だけど色んな想いは連鎖して行く。
連鎖の中に居る誰かが曖昧なら、その曖昧さは何処までも続いて行く。


がんじがらめの中、誰も前に進むことは出来ないんだろう。


視線をそらした俺に「まぁ、良いけど」と言い残し、克巳は宮本の元へ走って行った。


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