砂時計

2

目覚まし時計の音に、ハッとして目を覚ます。

これは、夢……なんやろうか? モノクロームの世界に砂時計の赤い砂が、夢から覚めたあとも鮮明に思い出された。

きっと、夢……なんやわ。私から彼に近づきたくても、話をしたくても、それが叶わないのだから。

それでも、いい。ただ、彼の笑顔、彼の声を聞けるだけで。

きっとまた逢える。

今夜は、どんな話をしてくれるのか。朝が来たばかりなのに、夜が待ち遠しい私がいた。



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