俺様上司は溺愛体質!?

(早く終わって〜!)

 このままでは心臓が持たない。

 固く目をつぶるちとせだが、ふと真屋の指が止まったことに気づいた。

「真屋さん……?」

 外れたわけではなさそうだが、一体どうしたのだろうか。

 肩越しに振り返ると、妙に真面目な顔で自分を見つめる真屋時臣と目があった。

「お前、耳赤いな」
「それは……酔っ払ってるからです」
「いや、俺に触れられて、感じてるんだろ?」
「……っ!」
「素直だな、お前は」

 そして真屋時臣は、外れないショールの両端をつかみ、そのままちとせを包み込むように、背後から抱きしめてしまった。

 真屋時臣の胸は広い。彼の腕の中にちとせの体はすっぽりと収まる。


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