俺様上司は溺愛体質!?

 営業部に戻りデスクの整理をする。
 部長には当然人事から話が入っていたようで、「最近頑張ってくれてたから残念だけど」とねぎらいの声をかけられたちとせだが、
「でもなんで萩原さん?」
「ちょっとビックリだよ」
という疑問詞の声がほとんどだった。

(そりゃそうよね。だってまず私が信じられないし……。)

 いったいなんの間違いなんだ。
 だが真屋時臣ともあろう男が間違うだろうか。

(いやがらせ? そんなわけないか……。会社巻き込む意味ないもんね。)

 グダグダと考えていても意味はない。
 疑問は真屋時臣にぶつければいいのだ。

 突然のことで荷物をまとめきれなかったので、とりあえず一部を細布子に預かってもらうことにした。


「ちとせ、頑張るんだよ!」
「うん……とりあえずお仕事は頑張る……つもり」
「で、合コンの件は任せといて。ドーンと」
「ふふっ……うん。頼もしいよ、ほんとありがとう」

 細布子の冗談でほんの少し気持ちがほぐれる。やはり持つべきものは友達だ。

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