俺様上司は溺愛体質!?

 レースのガーターベルトには真ん中に鍵ホックがついていた。
 真屋時臣はそれを一本の紐のように広げ、ちとせを抱きしめる形で背中に腕を回し、器用にホックを留めた。
 もちろんカットソーの下の素肌の上に直接だ。

「ウエストサイズにぴったりでないといけない。サイズが合わないようなら調整しておいたほうがいい。潤、さすがだな。ぴったりだ」
「恐れ入ります」

 まるで執事のようににこやかに一礼する潤だが、ちとせは完全に固まってしまっている。

(顔が、声が、近すぎるんですけど〜!)

 真屋時臣の胸に抱かれたまま、彼の低い声がすぐ近くで響くのだ。
 意識するなというほうが無理である。

 だが自分で説明してくれと言った手前もう何も言えない。

 もはやまな板の上の鯉。
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