俺様上司は溺愛体質!?

「ではこの椅子に浅く座って靴を脱げ」
「はい」

 言われた通りパイプ椅子に座り、社内履き用の黒のパンプスを脱ぐ。
 いよいよだと思うと妙な胸の高鳴りを覚える。

「私、こういうランジェリー初めてでドキドキしてます」
「ガーターはランジェリーじゃない。ファウンデーションだ」
「へ?」
「ファウンデーションは素肌の上に直接身につけて、体のシルエットを整えるもの。ランジェリーはファウンデーションの上に着用して、上着の質感を壊さないように身につけるもの。だからブラジャー、ショーツ、ガードル、ボディスーツにガーターベルトはファウンデーションになる」
「じゃあランジェリーって、厳密に言うとスリップとかキャミソールとかのことなんですか?」
「ああ。あとはネグリジェやローブ、ベビードールもランジェリー扱いだな」
「そうだったんだ……」

 いくら事務仕事とはいえ、四年目である。

(仕事のこと、退屈とかばかり思っちゃって、いい加減だった。ちゃんと勉強しなきゃ。)

 決意を新たにするちとせである。

 そして真屋時臣はストッキングを丁寧にたくし、いきなりひざまずいた。
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