俺様上司は溺愛体質!?

 足を伸ばし、曲げる。
 繰り返すたびに輝くなめらかな光沢に見とれてしまう。

「それは量産品に慣れているからだな。もちろんそれが一概に悪いとは言わないが」
「でもこういうの、一、二枚持っててもいいですよね。欲しいかも……って、そっか。売ってないんでしたっけ」
「そう。それ真屋さんが個人的に集めてるやつで、ほんと超貴重なんだよ」

 それまで黙っていた潤が、うっとりしたようにちとせの足の前にしゃがみ込んだ。

「成形編みって言ってね。足の形に合わせて編み目を増やしたり減らしたりしてるんだ。だから脚を入れてものっぺり見えないんだ」
「潤、詳しいのね」
「うちはおばあちゃんがめちゃくちゃお洒落さんだからねぇ。ストッキングだってガーター一択。若い頃は海外の友人に頼んで送ってもらってたくらいだもん」
「ええっ、それはすごい……」


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