俺様上司は溺愛体質!?

「手間だよ。すっごい手間。だから機械はもう作られてない」
「あー、なるほど……」
「英国のアリストック社が機械持ってたんだけどね。かなり昔に手放してるからさ。今はフランスのDOREDORE社でたったひとつの型番のストッキング作ってるだけじゃないかなー」

 そして潤はホワイトボードの前で腕組む。

「じゃあ機械を作ろうってわけにはいかないからねぇ。これが復刻最大の難関だと思う」

(最大の難関かぁ……。)

 けれど自分には機械をどうすることもできそうにない。
 こればかりは真屋時臣に賭けるしかないだろう。



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