俺様上司は溺愛体質!?
「へぇ、そうなんですか。十七歳でガーターを……」
「そうなの。昔は輸入下着を取り扱っているところなんて本当に少なかったから、あっちこっちのお店の商品を、学校帰りのセーラー服姿で見に行ってたのよ」
「セーラー服で……驚きです」
「お店の人には呆れられていたけれど……でも少女の私はどうしても素敵な下着やガーターベルトを身につけたかったの」
気がつけばすっかり檜山と意気投合のちとせである。初心者の素直な反応が面白いようで、檜山も話が弾んだようだ。
彼女はカフェ「ダンデライオン アドバルーン」のオーナーで、他にも幾つか仕事を持っていると言う。
なんとなく、いつか誰かと結婚したら仕事を辞めるのかな、なんて漠然と考えていたちとせは、目が覚めるような思いがした。
(こんな素敵な大人の女性が素敵な下着を身につけているのは、感受性の強い少女時代にその良さを知ったからなのかな……。私もそんな美意識を持つ女の子だったらなぁ……。もう少しこの弱い頭もなんとかなったんじゃないだろうか……。)