俺様上司は溺愛体質!?

「あの、新しいストッキングは助かるんですけど、実は私ガーターベルトを使ってるんです……」
「ガーターですか?」
「はい」

 スカートの端をちらりと持ち上げると、檜山が少し嬉しそうに微笑んだ。

「それなら大丈夫です。私もそうですから。予備を持っています」
「えっ、本当に?」

 まさかここでガーターを使う女性と遭遇するとは思わなかった。一気にテンションが上がる。

 年の頃は六十歳前後だろうか。白髪交じりの髪をベリーショートにした彼女は、白いシャツの上にニットのベスト、黒のロングタイトスカート姿にシルバーアクセサリーを合わせ、かなりファッショナブルである。

「良かったら色々お話聞かせてください!」

 スカートを半分コーヒーで染めたまま、ちとせは嬉しそうにソファーから立ち上がっていた。


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