甘く苦い、毒牙に蝕まれて




声でわかった。

すごく、怒ってる。



「放課後に居残りするなんて、嘘だったんでしょ?」


「っ……」


「最初から、嘘っぽいなって思ってた。……クラスの子と随分と楽しそうにしてたね」



な、何で……。




「ずっと見てたから。まひろちゃんの後、ずーっと尾行してた」


酷いっ……。
それって、ストーカーじゃん。



「おかしいと思ったんだ。まひろちゃんが急に一緒に帰れない、なんて言うから」


「酷いよ真守くん!ストーカーなんて気持ち悪い事しないでよっ!」


「まひろちゃん」



ギュッと。
強く右手が握られた。



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