甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「僕の中心は、まひろちゃん。だから……まひろちゃんの中心も当然、僕でしょ?」
何よそれ。
意味わかんない。
「大好きだから……僕はただ、まひろちゃんの事を大切にしてるだけだよ」
大切に、してる?
冗談じゃない。
私は思い切り、手を振り払った。
「大切なら……私を縛り付けようとしないでっ」
「縛ってないけど……ただ一緒にいたいだけだし」
「帰って。今日はもう、帰って」
何を言っても無駄だ。
これ以上、一緒の空間にいたくない。