正義の味方に愛された魔女３
コイツのこれからを予想していたら、沙耶ちゃんの肩にまわしていた腕にドキドキした声が聴こえてきた。


《この恥ずかしい体勢……心臓壊れちゃう……》

「あの、もう、大丈夫なので、一人で歩きますよ。
そっち、捕まえていてください」


沙耶ちゃん、涙を流してるのも気付いてない……動揺がおさまるまでこうしてるつもりだったけど、
そうすると余計に動揺するんだよな。
ドキドキが、すごいことになってる……。


だけど、この子は本当にそれだけなんだよ…。


今まで視てきた女の子達は、だいたい
俺の行動に自分なりの解釈を付けてた…。
下心があるとか、自分のことが好きなんだろうとか。

あと、駆け引きし出すとうんざりで、
俺に何かさせたくて、心と正反対の事を言ったりしたりするんだ。


「あー、ごめんね…。
沙耶ちゃんが泣き止むまでと思って…」


本当に、気持ちと言葉が一緒な、こんな子は俺の周りには居なかった…。


天使みたいな子……いたよな。


だけど、


少なくとも今までは、妹のような存在として、だと思っていたんだ……。








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