課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
 


 倉庫に行き、ファイルを探す。

 やっぱりないな、と思い、棚を見上げた。

 あの上に、埃被ったダンボールが幾つかあるけど。
 あの中、なにが入ってるんだろ。

 この並びだから、ファイル系だとは思うけど。

 古いものだから、上に上げてあるとか? と思いながら見ていると、羽村が、
「抱っこしてあげようか?」
と言ってきた。

「そうですねえ。
 ……ええっ?」
と振り向いたが、羽村は一緒に上を見ながら、大真面目に、

「肩車の方がいい?」
と言ってくる。

「いや……運動会じゃないんですから」
と言うと、笑い出した。

「なにその発想。
 じゃあ、ついでに、数人連れてきて、ピラミッドにしようか」
と言い出す。

「いやあの、脚立ありますから」

 この人、意外に笑い上戸だな、と思ったのだが。

 羽村が笑い上戸なのか、自分が場にそぐわぬおかしなことを言っているのか、いまいち判断がつきかねた。
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