課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
翌日は、約束通り、響子と食事に行った。
今日は堀田さんのレストランにしようかという話もあったのだが、また、同じ寿司屋に来ていた。
カウンターで響子を真ん中に座り、寿司を堪能する。
祖母の話で、大変だったわねえ、と言ったあとで響子が訊いてきた。
「で、いつ、婚約するの?」
「いや、結婚しようかと思う」
「は?」
雅喜のいきなりの言葉に真湖も振り向く。
「来週にでも」
はいっ? と二人で雅喜を見た。
「ちょっと、あんたねっ!
結婚には女の夢があるのよっ」
と自分ではなく、響子が雅喜の胸倉をつかむ勢いで立ち上がる。
お、お義母様、言ってやってください……と思いながら、祈るように響子を見つめていた。
「いや、指輪やってたくらいじゃ、怯まないのがいるから」
と相変わらず、雅喜は人の話を聞かない。
一人が寿司を食べる手を止めずに、エンガワを塩で食べていた。