世界を敵にまわしても
お母さんの顔が険しくなったのが、



診察室の窓ガラスに映る姿を見て分かった。



同時に、先生の表情も。



「ありがとうございます。



そうですね。



今心臓の音を聞いた限り、




確かに雑音が混じって聞こえました。



その十歳の時のことが関係あるかどうかも含めて、



こちらでははっきりしたことは申し上げられません。




紹介状を書きますので、



大きな病院で診てもらってください」




「そんなに悪いんですか?」




「お母さん、落ち着いてください。


あくまで、念のための検査です。



お嬢さんの健康をもっと信じてあげてください」



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