武士になりたい!
【山崎烝】



間者の次は、くせ者



どうやら、客だけやのうて

店主も怪しいらしい…


監察方、総出で張り込むが
なかなか隙がない


あまり時間をかけると、こちらの面が割れる恐れがある


「尾形と俺が残る、皆は一旦屯所に引き上げて下さい!」

「気をつけろよ」


副長に何か策を練ってもらわなな…

尾形は、ともかく

ワイは女子や…体力勝負になってまう

あ…

「尾形 今夜、会合の日だ!
動きがあるかも知れない…」

「呼び戻しますか?」

「いや…屋敷が空なら、俺だけで忍び込む
見張ってくれたら、十分です」


一刻ほどすると、動きがあった
四名の男が出掛けた

裏口にいた尾形が戻ってきた


「こっちからは誰も出てないです」

「では、行ってきます
人が来たら、猫の鳴き真似よろしく!」



暗闇には、慣れている

それでも慎重に

警戒して中へ


火薬?



臭いをたどると店の奥に大きめの箱

寸法からいって、銃や


店主の部屋を目指し、進む


ここや…



箪笥から机、ありとあらゆる場所から
隠している書簡が見つかる


一つだけを懐にしまい


元に戻す



忍び込む前と同じにして



そっと外に出る




「屯所に戻るぞ!」






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