武士になりたい!
どんな言葉を掛ければ

立ち直ってくれるのやら

山崎を見下ろした


ん?



「おい… おめぇ もしかしたら
永倉 庇った時、斬られたのか?」


俺の部屋で、ずっと右脇腹を抑えていた

「かすり傷じゃねぇだろ!バカ!」

動き続けたことで大量の出血


「だって… 最期の仕事かもしれない」



グラリと倒れる山崎を受け止めた


「しっかりしろ!」

「このまま… 死なせて…」


俺の腕の中でぐったりと意識を失った

このままだと、本当に死ぬ


「土方!!俺の屋敷に連れて来い!」


偶然、佐々木さんが声を掛けてくれて

佐々木さんの知り合いに治療を頼んだ



「バレたか…
しばらく預かる
意識が戻ったら、知らせる」

「よろしくお願いします」




山崎を佐々木さんに託して

屯所へ




「山崎は、意識不明で動かせない為
とある屋敷に預けてきた
山崎が女だということを隠して
すまなかった… 山崎が意識を取り戻したら、ちゃんと話を聞いてやってくれ」


「俺は、てっきり弱い女かと思ってたんだ
あれだけの剣の腕があれば、心配ねぇよ」

「うんうん 土方さんより強いかもは
本当だったな!」

「そんなに凄かったの?」

「うむっ 俺も敵わんかもな」

「だったら、なんで意識不明なの?」


総司が感情を抑えつつ言った


「出血が多くてな…」

「まさか!俺を庇った時の怪我!?」

「ああ これが最期の仕事かもしれねえからって、無理したんだよ
永倉のせいじゃねえ… 山崎が無理して」

「山崎君がここでどんな生活してたか
知ってますか?
女だからなんですか?
無理した山崎君のせい?
違う!!僕らが追い詰めたんじゃないか!
ずっと… 一人で我慢させてたんですよ
最近は、食べることも出来なくて
吐いて… それでも、仕事して…
無理させたのは、僕らですよ!!!」


「総司の言う通りですね
暖かく迎えてあげましょうよ」


山南さんが締めくくってくれたのに


「ついでに言います!
僕と山崎君は、恋仲です!!!」

「おお!本当か?総司!!」

「はい!!!」


おいおい…


帰って来たら、山崎が心配だ



















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