一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~
「……は~」
天井をみつめて、私はまたため息を吐く。
「世の中、上手くいかないいことの方が多い気がする」
最近特にそう思う。私は何も悪いことをしていないのに、嫌なことばかりが起こるのはどうしてなんだろう。
決して人のせいにするつもりはないけれど、自分ではどうにもできないことが原因で今に至る気がする。私は今、不幸のどん底だ。
「……つらい」
昨日飲み過ぎたこともあり、まだ二日酔いの気怠さが残っている。
游さんが帰宅するまでに買い物に行くとして、もう少しだけ眠ろう。
大きな通りから一本路地に入っているからか、外はとても静かだ。時々隣家から生活音が漏れ聞こえては来るけれど、それはあまり気にならない。私はあくびをひとつして、ゆっくりと目を閉じた。