飛んでけチョコレート


「はぁー。よかったぁー。間に合ってー」

私の目の前まで来てヘニョヘニョと笑ってそう言った。ゆるいなこいつ。

『いや、あの、人が捨てたチョコレート、何で拾ってんですか?しかも、ビショビショになって。』

「えぇー。だって、捨てちゃうなんてもったいないじゃん!お魚さんもこれはさすがに開けて食べられないだろうし!」

環境のこと気にしてくださったんですね。
すみません。そこ気にしてなくて。
てか、「お」魚「さん」て。

『ぷっ!』

私はついつい吹き出してしまった。

「え!なんか俺、変なこと言った!?」

いや、さっきから変なことしか言ってないですから。
本当に変だなこの人。

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